然様判然とした
区別は意識的には付かぬまでも、少くとも両時代の侠客には何分かの差違があつたのである。
殊に、私たちと水兵との間には、上下の
区別と云ふものが、厳として、——軍人になつて見なければ、わからない程、厳としてありますから、それが、非常な強みです。
申すまでもなく、この時代の蜀は正統ではありません、乱世に乗じて自立したものですから、三国時代の蜀と
区別するために、歴史家は偽蜀などと呼んでいます。
いずれにしろ稚純な心には非情有情の界を越え、彼と此の
区別を無みする単直なものが残っているであろう。
それに反して紫の山となると、碧い空との
区別が朦朧としてしまう。
諸君は御承知かも知れませんが、緑内障にかゝった眼は、外見上は健康な眼と
区別することが出来ません。
蓋し著者は詩境と人境との
区別あるを知つて、之を実行するに当ツては終に
区別あるを忘れたる者なり。
マルクスはその生命観において、物心の
区別を知らないほどに全的要求を持った人であったということができると私は思う。
いわば公私の
区別とでもいうものをこれほど露骨にさらけ出して見せる父の気持ちを、彼はなぜか不快に思いながらも驚嘆せずにはいられなかった。
最後にその二等と三等との
区別さへも弁へない愚鈍な心が腹立たしかつた。