娘は養母を軽蔑すること限りもなく、ひとごとながら、先の
危なさが思ひやられて頼りない有様で、はじめから娘は家出するやうに出来てゐた。
やがて九時にもならんとする頃一鞭あてて走り出せしが、そのガタガタさその
危なさ腰を馬車台に打ちて宙に跳ね上りあたかも人間を鞠にして弄ぶが如し。
『火持ちはいいが、なんしろ
危ないで……よっぽど気を付けんと火のやうな怖かないものはない……』
一見清楚な娘であったが、壊れそうな
危なさがあり真逆様に地獄へ堕ちる不安を感じさせるところがあって、その一生を正視するに堪えないような気がしていたからであった。
恋のほかには余分の思案というものもない平安京の多感な郎子であったけれども、佳人のもとへ通う夜道の
危なさには、粋一念の心掛けも、見栄の魔力も、及ばなかった。
危ない足取りで雪に段をつけて水を汲みに行くと、どの岩もどの岩も雪がもくもくと積って、岩の肌さえ見えているのは少ない。