あらゆる徳目と兩立しない欲望が、
又しても又しても彼のちつぽけな意志を押し流した。
今やボルネオの北端に達してスールー海に近づいた折、
又しても暗礁に乗りあげてしまった。
と、
又してもチクリとやられたが、何を小癪なと、もうベク助は相手にならないことにしていた。
ところがもう先刻先生はお帰りになった筈だと思うのに
又してもカランコロンと跫音がして、それが又先生の跫音に何とも言えずよく似てるのです。
圭一郎は
又しても、病み疲れた獸のやうな熱い息吹を吐き、鈍い目蓋を開いて光の消えた瞳を据ゑ、今更のやうに邊を四顧するのであつた。
ところが、あくる日になると、もうけろりとして、
又してもうるさく附き纏つて来る。