改札口へ出るとすぐ私は迎へにきてゐた数名の友人から
取り巻かれながら、強ひて平気を装ひつゝ正面の階段へ押されて行つた。
十吉の小さい家も北から西へかけて大きい蓮池に
取り巻かれていた。
しかも彼等の頭の上には、——ラマ教の寺院の塔の上にはかすかに蒼ざめた太陽が一つ、ラッサを
取り巻いた峯々の雪をぼんやりかがやかせているのである。
また、あるものはバータムナスの像のまわりを花環のように
取り巻いて、布のように垂れさがった枝はその像をすっかり掩っていた。
かれは面白半分に職人から突き付けられた酒や食い物を、ただ黙って飲み食いしているだけであるので、まわりを
取り巻いている人々も少しく倦きて来た。
みんなが食卓のまわりを襤褸束を並べたように
取り巻いて、いざ食事にかかろうとしているところへ、彼女の父親が他所から帰ってきた。
それから二、三日経った或る夜、庄司氏の応接室で卓子を
取り巻いて主客三人の男が坐っていた。
生れた土地はクリツサといつて、近くに豊饒な平野が多く、その外を波の打ち寄せる海に
取り巻かれてゐる都会であつた。
三国、大源太、仙ノ倉、万太郎の山々に四方を
取り巻かれ、西川と赤谷川との合流が眼の下を流れている盆地であった。
自分の入って来たのを見て、いきなり一人の水兵が水雷長万歳と叫ぶと、そこらにいた者一斉に立って自分を
取り巻き、かの大杯を指しつけた。