借金取の来襲にも悠々閑々たる心境など、ちつとも
取柄はないのである。
かほどの人が五十三の五郎兵衛と相思の仲に落ちたといふ、もとより五郎兵衛に凡ならざる
取柄があつてのことでせうが、この娘も変り者です。
この男の
取柄といふのは、さういふところにあるやうだ。
この女の
取柄といへば、あくせくお金を儲けようといふ魂胆のないことで、酒が入手難になり営業がむずかしくなると、アッサリ酒場をやめて、野村と同棲したのである。
しかし、アンマの方がおくれたために、アンマにもまれつつある写真でなかったのがまだしも
取柄であったろう。
——雪の中を跣足で歩行く事は、都会の坊ちゃんや嬢さんが吃驚なさるような、冷いものでないだけは
取柄です。
もともと行商としてこの土地へ流れこんで来た宇部紋七が、二十年がかりでこれまでにしたといふだけで、なにひとつ
取柄のある店ではなかつた。
かほどの人が五十三の五郎兵衛と相思の仲に落ちたという、もとより五郎兵衛に凡ならざる
取柄があってのことでしょうが、この娘も変り者です。
——雪の中を跣足で歩行く事は、都會の坊ちやんや孃さんが吃驚なさるやうな、冷いものでないだけは
取柄です。