打たなと気が付た頃には、敵の奴めワッと云て山査子の
叢立に寄懸って了った。
その草
叢の中には、ところどころに小さい池や溝川のようなものもあって、釣りなどをしている人も見えた。
崖の根を固めている一帯の竹藪の蔭から、じめじめした草
叢があって、晩咲きの桜草や、早咲きの金蓮花が、小さい流れの岸まで、まだらに咲き続いている。
目覚めて窓の戸、おしあけ庭の面見やれば、色つきそめし
叢、咲乱れし千草不残にも野分にふき乱され「つらぬき留めぬ玉ぞちりける」。
落葉松林の中の下
叢の陰に、一時間も前から息を殺して馬車の近付くのを待っていた若い農夫が、馭者の馬を追う声で起ち上がった。
その小径は、毛莨や釣鐘草や簪草などのひ弱い夏花や、鋭い棘のある淫羊※、空木などの丈低い草木で覆われていて、その入口でさえも、密生している
叢のような暗さだった。
草
叢の緑とまぎれやすいその青は不思議な惑わしを持っている。