これは
同業者——同じ文筆稼業人と一緒だったら、そこに商売敵的反目嫉視などが這入って不愉快だったろうと思うよ。
尤も幸吉は足まめだから、自転車で浦安あたりを往復して、
同業者へヤミの魚をうる、オメカケ連を活躍させて待合へうりこむ、酒、タバコ、衣類でも何でも扱う。
あの当時の文士は一城をまもつて虎視眈々、知らない
同業者には顔もふりむけないから、誰が来てゐたかあとは知らない。
同業者たちは、なるほど彼には頭があがらなかつたけれども、まだ、彼の本心を疑つてゐた。
H屋の若主人は(好いお連れ様で)と云わんばかりにやや
同業者の葉子達の方を見た。
彼はその当時の寄席芸人に似合わず、文学絵画の素養あり、風采もよろしく、人物も温厚着実であるので、
同業者間にも大師匠として尊敬されていた。