呉氏応援のため上京というのも
名目だけのことで、ジコーサマも、迫害がひどくて、津軽辺の仮神殿にも住めなくなったらしいという話であった。
私は殆ど帰郷したことがないのだが、なぜこの年に帰郷したかといふと、
名目は長篇小説を書きあげるため、といふのだ。
新撰組の母胎とも云ふべき、幕府が新に徴募した浪士団が家茂将軍警護の
名目で、江戸を出発したのは、文久三年の二月八日であつた。
すでに、
名目だけでも、これに類する施設をもつてゐる場合、どうして、実績を挙げ得ないか?
彼は、外国探検隊員という絶好の
名目を利用して、その都度、西南奥支那の秘密測量をやっている。
それのみなら未だしも、成績の調査、缺席の事由、食料携帶の状況、學用品供給の模樣など、
名目は立派でも殆んど無意義な仕事が少なからずあるのである。
そして誠忠奉公の公卿たちは鎌倉で審議するという
名目の下に東海道の途次で殺されてしまった。
それで、小劍は、大正五年の一月から、新聞社には文藝部長といふ
名目だけ殘して、創作に專心するやうになつた。
そこで三教九流の数に入らない小説家のいわゆる「閑話休題、言帰正伝」という紋切型の中から「正伝」という二字を取出して
名目とした。