劇研究會としてこの試演ほど大きい事業はなかつたのであるが、私達はこの會合の
名目通りに劇ばかりをやつてゐた譯ではなかつた。
私は殆ど帰郷したことがないのだが、なぜこの年に帰郷したかといふと、
名目は長篇小説を書きあげるため、といふのだ。
朝廷からの使者は案内役の磯貝新右衛門久次と使者の立入とたった二人だけ、表向きの
名目は熱田神宮参拝というのである。
呉氏応援のため上京というのも
名目だけのことで、ジコーサマも、迫害がひどくて、津軽辺の仮神殿にも住めなくなったらしいという話であった。
新撰組の母胎とも云ふべき、幕府が新に徴募した浪士団が家茂将軍警護の
名目で、江戸を出発したのは、文久三年の二月八日であつた。
彼は、外国探検隊員という絶好の
名目を利用して、その都度、西南奥支那の秘密測量をやっている。
それのみなら未だしも、成績の調査、缺席の事由、食料携帶の状況、學用品供給の模樣など、
名目は立派でも殆んど無意義な仕事が少なからずあるのである。
そして誠忠奉公の公卿たちは鎌倉で審議するという
名目の下に東海道の途次で殺されてしまった。
そこで三教九流の数に入らない小説家のいわゆる「閑話休題、言帰正伝」という紋切型の中から「正伝」という二字を取出して
名目とした。