この二、三年はまことに忌な年だったと言い暮らしているうち、暦はことしと改まって、元日から空っ風の
吹く寒い日がつづいた。
するとあくる日は、まだ、笛を
吹くか吹かないのに、赤い勾玉を飾りにした、目の一つしかない大男が、風のように空から舞い下って、
冬もまた、風が
吹くやら、雪がふるやらするので、とかく、商売がすたり易い。
ところで、この季節の風であるが、春先からかけて関東は随分
吹く。
それは日のよくあたる風の
吹く、ほどよい湿度と温度が幸いする日、杉林が一斉に飛ばす花粉の煙であった。
まして岸を行く往来の人々は、丸頭巾をかぶつたのも、革足袋をはいたのも、皆凩の
吹く世の中を忘れたやうに、うつそりとして歩いて行く。
が、小娘は私に頓着する気色も見えず、窓から外へ首をのばして、闇を
吹く風に銀杏返しの鬢の毛を戦がせながら、ぢつと汽車の進む方向を見やつてゐる。
十一月四日——「天高く気澄む、夕暮に独り風
吹く野に立てば、天外の富士近く、国境をめぐる連山地平線上に黒し。
折しも弥生の桜時、庭前の桜花は一円に咲揃い、そよ/\春風の
吹く毎に、一二輪ずつチラリ/\と散て居る処は得も云われざる風情。
だから音楽を
吹きこむ前に試写してみて十分観賞に堪え得る写真を作つておかないと大変なことになる。