そう言えば、全校の二階、下階、どの教場からも、声一つ、
咳半分響いて来ぬ、一日中、またこの正午になる一時間ほど、寂寞とするのは無い。
一九三八(昭和十三)年 この頃から喀血が始まり、
咳と痰に悩まされるようになる。
咳が出る、食欲が進まない、熱が高まると言う始末である、しのは力の及ぶ限り、医者にも見せたり、買い薬もしたり、いろいろ養生に手を尽した。
で、C眼科医は小
咳を一つして、コーヒーのカップを傾け、ぽつり/\語りはじめた。
漁師は持ち古した、時代が附いて赤くなつた肩掛の巾を撥ね上げて、
咳をしながら云つた。
「高いとこの眺めは、アアッ(と
咳をして)また格段でごわすな」
清逸は綿の重い掛蒲団を頸の所にたくし上げて、軽い
咳を二つ三つした。
千登世が階下へ用達しに下りて行くと棧も毀れよとばかり手荒く障子を閉めて家鳴りのするやうな故意の
咳拂ひをした。
」と弱い声で言ってまたも
咳をしてホッとため息をついた。
ついでに、私の
咳がやはりこんな風に聞こえるのだろうかと、私の分として聴いて見る。