肉を箸につまんで舌端に乗せれば、
唾液にとけて、とろとろと咽喉に落ちる。
私は、喉に
唾液を嚥みながら、御手洗邸の玄関へ駆け込んだのである。
けれど、現在世の中にあるおいしい酒というのはすべて味わい尽くしたから、この頃では昔上方にあったという『富士見酒』の味を想像して、舌に
唾液をからませている。
イクラのひと抓みを、口にふくんでそれを
唾液でよくぬらし、それをぱっぱっと渓流の落ち込みへ吐いた。
唾液は水なり、ムチンの存在によつて粘きも、其実は弱アルカリ性の水にして、酵素のプチアリンを含めるのみ。
そして隊長は、ぺっと乾いた
唾液を、馬の脊越しに吐き捨てた。