又海の物など入るる
器物にくぐつといへる、万葉などに見ゆ。
相当有名で伝わるお茶人の書というものその手紙に見るも、
器物の箱書に見るも、竹花入れ茶杓に書かれた字に見るも、俗書の多いのには驚くばかりである。
クルベクなどは、我々には遠くなつて居るが、
器物や地理の名にあるから、なる程と思はれる。
古昔は水の清かりしをもて人の便とするところとなりて、住むもの自ら多かりけむ、この川筋には古き
器物を出すこと多し。
建築半ばなれども室広く
器物清くして待遇あしからず、いと心地よし。
人形のほかに鶏や犬や豚や馬や牛などの動物或は
器物、時としては建物まで御伴させることが漢時代以後だんだん盛に行はれ、唐に至つて流行を極めた。
刷毛を厭われたと同様に
器物をつかって物の形をとることも極度にいやがられた。
此の如く所謂宗教的施設に關しては何等注意すべきものなきも、其代りに古
器物古文書を證據として神代百億萬年の歴史を展開し以て皇室の規模を莊嚴するに勉める。
殊に其の時代の相をはつきり知つてゐたならば、其の
器物に對しての鑑賞が、一段とはつきりしてきて、其の時代と共に呼吸することが出來る。