家々の
国旗、殊にこの春は新調したのが多いとみえて、旗の色がみな新しく鮮やかであるのも、新年の町を明るく華やかに彩っていた。
のみならず、
国旗の尖にもつけ、五月幟の頂にもつける事がある。
日の丸の
国旗を軒に出した時とは、心の底の歓び——下笑ましさとでも言ふか——の度が違ふ。
軒に出せし
国旗の竿の、釣竿の面影あるも思の種なり。
そしてどの屋上にも、アカグマ国の
国旗は、ひらひらとはためいていた。
あれを出してしまつても、まだ英吉利の
国旗か何かが、手品のやうに出て来はしないか。
われわれは半分夢中で、目的地のトラファルガー・スクエヤーまで押されてゆくと、彼のネルソン将軍の高い塔にはおびただしい
国旗が懸けられている。
その間に英国の
国旗が一本まじってながめられるのも開港場らしい風情を添えていた。