しかし、彼のように全然無名で
地盤も顔もない候補者に、どんな裏がありうるだろうか。
ともかく私が現在辿り得た思想の
地盤というものは、私の自伝的作品に於て、私が選んで語らなかった事実、その選び方の上にあるということを知って欲しい。
大阪の市民性にはかゝる江戸的通念に対して本質的にあべこべの気質的
地盤がある。
そういう限定は人間の一生につきまとっていることで、人間は仕方なしに何か一つずつ選ぶけれども、生活の
地盤というものは人間の意志とは関係がない。
茶番が発生する
地盤には、もっと高い文化生活があって、これほどの蒙昧を許すことができないのだ。
すつかり今までのものを解体して、
地盤から築き直してかゝらねば、最早、行き場がないのではあるまいか。
争ふ必要のあることは、寧ろ、既成演劇の独占する
地盤である。
十六歳の時から桶狭間合戦の二十七歳までは席の安まる間もなく戦塵をあびて、自らの
地盤を確保するに余念がなかった。
堯の窓からは、
地盤の低い家々の庭や門辺に立っている木々の葉が、一日ごと剥がれてゆく様が見えた。