この元巡査がアルコール中毒で、頼りにならないこと夥しく、会議は専ら猥談の方へ進行するばかり、とても
埒があかないのである。
全然強制するのはイケないことだが、一応は案をつくつて、強制的な様式をとらなければ
埒があかないといふことも事実である。
出来上った人と云う意味はまあ簡単に
埒を明ければ、一家を成した人と思えば好い。
資本主義も社会主義も有りはしない、そんなことは昼寝の夢に彫刻をした刀痕を談ずるような
埒も無いことで、何も彼も滅茶滅茶だった。
と、雪まぶれ泥まぶれの体を畳に擦りつけて、語気も乱れて
埒なく云へば、母親は呆れて我子の顔を仰ぐの他なかつた。
どっちもなかなか強情で、容易に
埒が明きそうにもなかった。
寂たる森の中深く、もう/\と牛の聲して、沼とも覺しき泥の中に、
埒もこはれ/″\牛養へる庭にさへ紫陽花の花盛なり。