夫が物事に偏愛
執着の気振りを見せると妻は傍から引離した。
何故と言えば、余り深く一処、一物に
執着して研鑽を積むという性質ではないからである。
僕が詩の仕事の上で、抒情詩の製作に許り、
執着してゐないで、長い形式の叙事詩をも手掛け今後もそれを続けてゆかうとする気持には、色々の理由があります。
人間が死んでも、心臓だけが、二十時間も余計に生きて居るということは見様によって、如何に心臓が生に対する
執着の強いものだかということを知るに足ろう。
すべての迷信は信仰以上に
執着性を有するものであるとおり、この迷信も群集心理の機微に触れている。
年なお若い君が妻などに頓着なく、五十に近い僕が妻に
執着するというのはよほどおかしい話である。
個人が社会と戦い、青年が老人と戦い、進取と自由が保守と
執着に組みつき、新らしき者が旧き者と鎬を削る。