橋のあったのは、市を少し離れた処で、
堤防に松の木が並んで植っていて、橋の袂に榎が一本、時雨榎とかいうのであった。
殊に、内務省直轄で築造した渡良瀬川の
堤防には、狸の穴があちこちにあって、村の人は、しばしば狸汁に舌鼓をうっている。
ともすれば
堤防の上から足を踏み外しはしないかと思うほどまっしぐらに駆けた。
川や沼の面に生色ある光がただよって、いつの間にか
堤防の陽だまりに霜ぶくれの土を破って芝芽が小さな丸い頭を突き出すと魚も永い冬の蟄居から眼ざめるのである。
またその
堤防の草原に腰を下して眸を放てば、上流からの水はわれに向って来り、下流の水はわれよりして出づるが如くに見えて、心持の好い眺めである。
夏には子供らが来て、小石で
堤防やうのものを作つたりしては遊んで居るし、十一月の今時分になると、この川の岸に女連が集まつて来て菜大根の類を洗つて居る。
橋のあつたのは、市を少し離れた処で、
堤防に松の木が並むで植はつて居て、橋の袂に榎の樹が一本、時雨榎とかいふのであつた。
あるとき私はこの
堤防の道幅の狭いところを歩いていると、乞食らしい男が、すっかり道を遮断して寝転んでいた。
西は神通川の
堤防を以て劃とし、東は町盡の樹林境を爲し、南は海に到りて盡き、北は立山の麓に終る。