遠見の北廓を書割にして、茅葺屋根の農家がまだ四五軒も残っていて、いずれも同じ枯竹垣を結び繞らし、その間には、用水堀や
堰の跡などもあろうと云った情景。
堰の水はちょろちょろ音立てて田へ落ちると、かえるはこれからなきだす準備にとりかかっている。
山の根から湧いて流るる、ちょろちょろ水が、ちょうどここで
堰を落ちて、湛えた底に、上の鐘楼の影が映るので、釣鐘の清水と言うのである。
だから、羽村の
堰から下流は地質が悪いにも拘わらず良質の水垢を発生する水成岩の転石が、河原に磊々としていたからである。
外へ出ると暗い河原に鳴く千鳥、
堰塞を溢れる水の音、其さへ、記憶といふ程には残つてゐない。
沼がつきて、溢水の落ちる
堰のほとりに二三の飲食店があるが、その手前まで来たとき、お通は思いきり端折っていた裾を下ろすために立ち止り、帯の間へ手をやった。
更に堂の周囲を説明すると、池溝は右手の池の
堰から始まっていて、それが、堂の後方をすぎて馬蹄形の左辺にかかる辺り迄は、両岸が擬山岩の土堤になっている。