中でも裏山の峰に近い、この寺の
墓場の丘の頂に、一樹、榎の大木が聳えて、その梢に掛ける高燈籠が、市街の広場、辻、小路。
これが飛行家の観察した悪魔の尿溜だが、つぎに、その奥にあるといわれる巨獣の
墓場のことである。
私は
墓場の彼方に平和を希む生活を一番いいやうな気がします。
それは五階建ての白い鉄筋コンクリートの真四角なビルディングが、同じ距離を距てて、
墓場のように厳粛に、そして冷たく立ち並んでいる構内であった。
だが反響の多いこの室内の爆笑は大変賑かだったが、一旦それが消えてしまうとなると、反動的に、
墓場のような静寂がヒシヒシと迫ってくるのだった。
なぜ月は、あのように薄気味のわるい青い光を出すのだろう、どう考えたって、あれは
墓場から抜け出して来たような色だ。
蝶はその生垣の隙間から流れ込んで、
墓場の暗い方へ影をかくした。
墓場を発いて屍体を嗜む変質者のような残忍なよろこびを俺は味わった。
揺籃の前で道は二つに分かれ、それが松葉つなぎのように入れ違って、しまいに
墓場で絶えている。