されば竹に囀る舌切雀、月に住む兎の手柄、何れか咄に洩ざらむ、力をも入れずして顋のかけがねを
外させ、高き華魁の顔をやはらぐるも是なり。
三年前、小田原に住んでゐたとき、一ヶ月ばかり留守にして帰つてみたら、勝手口の南京錠が
外されてをり、内側から鍵がかゝつてゐた。
飼料不足のため自然に死ぬのは別として、毛皮はほとんど投げ売りを覚悟で、やうやく、養狐場の看板だけは
外さずに来たのである。
しばらく耳を傾けて、いささか多弁ながら的を
外さぬ主張を、最後まで聴く必要があろう。
巡査は帽子の下から光る一癖ありげな怪漢の眼から視線を
外さなかった。
かう言つて旦那は、お光に
外させた比翼指輪を自分の節くれ立つた太い指に嵌めかけてみたり、掌に載せてふは/\と目方を考へてみたりした。