今商家などに
大戸の前の軒下に、格子の嵌めてある家の残っているのは、この時に格子を用心のために作ったので、それまでは軒下の格子などはなかったものだ。
沓脱は
大戸を明けて、直ぐその通庭なる土間の一端にありて、上り口は拭き込みたる板敷なり。
土方が合図をすると、
大戸の方からも、厨房の方からも十四、五人の武士が駆け込んできて、五千両の金を何処ともなく運び去ったのである。
両側の店屋はどこも
大戸をおろしているので、いざという場合にも駈け込むところがない。
大戸の関から、二里ばかりも来たと思う頃、雑木の茂った小高い山の中腹に出ていた。