雲から投出したような遣放しの空地に、西へ廻った日の赤々と射す中に、
大根の葉のかなたこなたに青々と伸びたを視めて、
枝に渡して、ほした
大根のかけ紐に青貝ほどの小朝顔が縋って咲いて、つるの下に朝霜の焚火の残ったような鶏頭が幽に燃えている。
大根、桜島、蕪菜、朝鮮芋(さつま芋)、荒苧(里芋)、豌豆、唐豆(そら豆)、あずき、ささげ、大豆、なた豆、何でもあった。
雜煮は中位な四角の餅の燒いたのを
大根、里芋、小松菜を浮かべたすまし汁のなかへ浸したものである。
それに
大根の煮たのが、もう赤茶けてしるけもなくお皿にのっております。
貰つた蝋燭は、
大根の輪切りにしてあるのを臺にして、それへ一本宛さして、みんな自分の前へ一つ宛置いてるのよ。
早い話が、法律はよその畠の
大根を引き抜いた人間を処罰するが、決して引き抜かれた
大根を罰しない。
何處を何う行くのだつけ、あやふやなものだけれど、日和は可し、風も凪ぎ、小川の水ものんどりとして、小橋際に散ばつた
大根の葉にも、ほか/\と日が當る。