なぜなら、彼らは大概、碁か将棋かが好きであるが、推理小説は、碁や将棋よりも軽快で複雑なゲームの
妙味があるからである。
一日に十題も二十題も解くことは、頭も疲れるし、それに虫喰い算の
妙味が分らないと思う。
お世辞をお世辞らしく紋切型で云ひなれ、聞きなれてゐる民族は、お世辞らしからぬ
妙味など食ひ分ける舌はもたないのが普通である。
たゞ「知らぬことを何時の間にか知つてゐるやうな気にさせる」芸術の
妙味をこゝで指摘するまでもなく、演劇の秘訣も亦そこにあることを忘れてはならぬ。
外国の優れた戯曲が、その「劇的文体」に於て、その「言葉の
妙味」に於て、如何に本質的価値を発揮してゐるか、その点にもつと理解があつて欲しい。
「語られる言葉」のあらゆる
妙味は、相当の俳優——自分の表現を工夫し得る俳優——を俟つて始めて伝へ得るものである。
ところでこれらの芸術家は、最もアマチユアリズムの
妙味を解しない手合であり常に何人かの軽蔑を買ひ、何人かを悩まし、何人かに甘やかされ利用されてゐるのである。
この点、レアリズムの真の
妙味は、新劇の舞台上に未だ嘗て現はれてゐないといふのが、僕の持論だ。
ルナアルの「日々の麺麭」や、「別れも愉し」等、あの原作の
妙味は、到底日本語では伝へられない。
一日に十題も二十題も解くことは、頭も疲れるし、それに虫喰ひ算の
妙味が分らないと思ふ。