一つの
媚めいた青白くも亦とき色の神秘が、着物も皮膚も透して味覚に快い冷たさを与えた。
梅花は予に伊勢物語の歌より春信の画に至る柔
媚の情を想起せしむることなきにあらず。
と背後からお才を呼んで、前垂の端はきりりとしながら、褄の
媚めく白い素足で、畳触りを、ちと荒く、ふいと座を起ったものである。
桂月香はふだんよりも一層
媚を含みながら、絶えず行長に酒を勧めた。
それが眼は油断なしに編み棒の先を追いながら、ほとんど
媚を帯びた返事をした。
食べられるんですもの」と言って母は
媚かしく笑った。
それがおれの顔を見ると、
媚の多い眼を挙げて、慇懃におれへ会釈をした。
粧飾より相貌まで水際立ちて、凡ならず
媚を含めるは、色を売るものの仮の姿したるにはあらずやと、始めて彼を見るものは皆疑へり。
眼をあげると、女はペンキの剥げたドアにもたれて、凝っと
媚を含んだ眼をこちらに向けていた。
此の
媚めいた胸のぬしは、顏立ちも際立つて美しかつた。