要するに吾人が腰掛けて憩うが如く、乞食僧にありては、杖が鼻の椅
子なりけり。
このほう、三割方、キリョウおちたるうえに、男が好きそうな下町っ
子なり。
それ然り、然れどもこはただ婚姻の裏面をいふもの、其表面に至りては吾人が国家を造るべき分
子なり。
花には花に弄せられざるもの誰ぞ、月には月に翫ばれざるもの誰ぞ、風狂も亦た一種の変調子、風狂も亦た一種の変調
子なりとせば、人間いかにして変調子ならざる事を得む。
たとへば第一歩く振なり容
子なり、甚だ美しくなくなつた。
山神は之に加はらず、少し前の方を歩ける樣
子なりき。
度々藪の中へ往來するを見て、家人は怪しむ樣
子なりしも、こぼてを作るとは、知らざりしやう也。