近代的懐疑とか、近代的盗賊とか、近代的白髪染めとか——そう云うものは確かに
存在するでしょう。
保吉はいよいよ中てられたから、この客の
存在を忘れたさに、隣にいる露柴へ話しかけた。
しかし事情はこれを書かなければ、もう一刻の
存在も苦痛なほど、切迫して参りました。
出来る事なら、このまま
存在の意識もなくなしてしまいたいと思う事が、度々ある。
この集の如きも、或は諸君の名によって——同人の一人の著作として覚束ない
存在を未来に保つような事があるかも知れない。
政治の上にも、宗教の上にも、その他人間生活のすべての諸相の上にかかる普遍的な要素は、多いか少ないかの程度において
存在している。
彼等にとつては、空気の
存在が見えないやうに、五位の
存在も、眼を遮らないのであらう。
だから巻煙草に火をつけた私は、一つにはこの小娘の
存在を忘れたいと云ふ心もちもあつて、今度はポツケツトの夕刊を漫然と膝の上へひろげて見た。