偶然にも、さずきの転音に
宛てた字が桟敷と、桟の字を用ゐてゐるのを見ても、さじき或は棚が、かけづくりを基とした事を示してゐる。
私は、くゞつ・傀儡子同種説は、信ずる事が出来ないで居るが、くゞつの名に
宛て字せられた、傀儡子の生活と、何処までも、不思議に合うて居るのは、事実である。
あき・ふゆ・はるが暦法の上の秋・冬・春に
宛てられるやうになると、其祭りも分れて行はれる。
唯、一郷の精神生活を預つて居る神職に、引き
宛てゝ考へて見ると、単なる事務員では困るのである。
ただ附箋が三、四枚はってあったが、それは鎌倉に
宛てて書いてあったので、そこから逗子に廻り、さらにまた東京に廻って来たしるしに過ぎなかった。
そして
宛てられた時間が切れてオスマン通りへ送り出されると其処で始めてわれに返った。
その手紙は菅、大塚、山川、自分などに連名で
宛てたもので、相當に理窟ぽいことも書いてあつたやうに覺えてゐる。
若かった頃は彼も友人に
宛てて随分長い手紙を書き、また友人の方からも貰いもしたものであったが、次第に書きかわす文通もほんの用事だけの短いものと成って行った。
私は序のかわりとしてこれを君に
宛てるばかりでなく、この書の全部を君に
宛てて書いた。