たとえ有力な
容疑者を捕らえても、その本人が白状しないかぎり、身元の分からぬ者を殺したことによって刑罰に処することはできにくいのです。
でも、犯人の
容疑者として、誰やら、あげられたではないですか」
平次が江戸で犯人の足どりを考へてゐるあひだに、八五郎は三浦三崎まで出かけて、三日三晩やすまずに
容疑者の故郷を悉しく調べて帰つてくる。
ことに有力な
容疑者があげられた時は、一刻も早く、彼を白状せしめたいものだと、人知れず、焦燥の念に駆られるのでした。
警察が民主的になったので、昔のように
容疑者を一々ブタ箱へ入れて取調べる便利がなくなったので、捜査がおくれて困るという。
では、なぜ、
容疑者の指名タイホを公表したのであるか。
あの事件の
容疑者のことかも知れないぞ)と彼は、ようやくのことで思いだした。