氏の表面は一層沈潜しましたが、底に光明を
宿して居る為か、氏の顔には年と共に温和な、平静な相が拡がる様に見うけられます。
若い人たちというものは、道楽者の道義感と違って、みんな胸にともかく理想の光を
宿しているものだ。
桜山の背後に、薄黒い雲は流れたが、玄武寺の峰は浅葱色に晴れ渡って、石を伐り出した岩の膚が、中空に蒼白く、底に光を帯びて、月を
宿していそうに見えた。
ミレーのものは貴族でも其間に質朴なる百姓の面影を
宿し、バンダイクが描くと、百姓でも貴族の風格が備はる。
この詩は六月十日、かかる千里の旅を前にして、蘇州の楓橋寺前に
宿した折の作である。
私の家は戦線に近かつたので、兵隊さんが絶えず来
宿した。
一蟋蟀の為に我は眠を惜まれて、物思ひなき心に思を
宿しけり。
あの方もあなたと同じやうに、西洋文明の命の火を胸の中に
宿してゐるのですもの。