一夜明けて、僕らは
小口の宿を立って小雲取の峰越をし、熊野本宮に出ようというのである。
フランス装の名が出来ているだけあって日本の本は仮綴でも相当丁寧にかがられているし、
小口などもよくそろえてあるもの少くない。
蓋然から、段々、必然に移つて来てゐる私の仮説の一部なる日本の祭りの成立を、
小口だけでもお話して見たい。
一夜明けて、僕等は
小口の宿を立つて小雲取の峰越をし、熊野本宮に出ようといふのである。
それをまた
小口から細く長く五分の糸のように切る(昆布茶の出来合い品のように)。
丈四間半、
小口三尺まはり四角な樟を眞二つに割らうとするので、與吉は十七の小腕だけれども、此業には長けて居た。