従って彼のニッカーボッカーを穿いた両脚は勝手に動いて奇術師のようにふらふら調子を取りながら時々小石や
小径のふちの雑草の根本に躓ずいて妙に曲る。
友人の宮坂は多年の念願が成就する喜びに顔を輝かし丘の
小径を靴で強く踏みしめながら稚純な勇んだ足どりで先に立って歩いた。
青年は
小径の別れ道のところに立ち停ると吐きだすように呟いた。
谷あいの
小径は、そうしてよもの山々は、すでに皓月の下にくっきりと照らしだされているのであった。
丁度三日目の朝のこと、僕たちは山荘を一緒に出て、羊腸の
小径を湖岸へ抜け、そこで右へ行き、小瀬川を少し川上へ歩いたところで釣を始めました。
が、彼は刹那の後、それが不思議でも何でもない、ただの桜だった事を発見すると、恥しそうに苦笑しながら、静かにまたもと来た
小径へ、力のない歩みを返して行った。
私がこの難儀な
小径を降りて、低い所に来た時には、信号手はいま列車が通過したばかりの軌道の間に立ちどまって、私が出てくるのを待っているらしかった。
その
小径は、毛莨や釣鐘草や簪草などのひ弱い夏花や、鋭い棘のある淫羊※、空木などの丈低い草木で覆われていて、その入口でさえも、密生している叢のような暗さだった。
畠の間の
小径のところで正太は叔父の三吉と一緒に成った。