砂山に生え交る、茅、芒はやがて散り、はた年ごとに枯れ果てても、千代万代の末かけて、
巌は松の緑にして、霜にも色は変えないのである。
一行は木を編んで、嶮しい
巌や翠い竹のあいだを渡り越えると、時に紅い衣が見えたり、笑い声がきこえたりした。
その午前十時半にも確かに一人の佐用媛が
巌ならぬエレヴェーターの蔭に立っていた。
その
巌丈な石の壁は豪雨のたびごとに汎濫する溪の水を支えとめるためで、その壁に刳り抜かれた溪ぎわへの一つの出口がまた牢門そっくりなのであった。
海の中へつき出た
巌の上に立っている宿屋では、夏の客をむかえるとて、ボートをおろしている。
いや、我々は炉に燃える火や畠の野菜や素焼きの瓶や
巌畳に出来た腰かけの中にも多少のマリアを感じるであらう。
城下より来たりて源叔父の舟頼まんものは海に突出し
巌に腰を掛けしことしばしばなり、今は火薬の力もて危うき崖も裂かれたれど。
「……山腹は頗る傾斜が急で、おまけに巨
巌はわだかまり、大樹が茂って、時には数百メートルも下って工事の基礎地点を発見しなければならない。