「いえ、かねてお諭しでもござりますし、不断十分に注意はしまするが、
差当り、火の用心と申すではござりませぬ。
昭青年だとて、先にあてがあるわけではありませんが、
差当って今の取り做し方としては、これ以外に無かったのでした。
しかし、その悲哀にも男女おのづからの
差はありました。
年の違いもあれど、いくらか性質の
差もわかるのである。
今なら私は河上氏の言葉をこう解する、「河上氏も私も程度の
差こそあれ、第四階級とは全く異なった圏内に生きている人間だという点においては全く同一だ。
いつでも畳を上げられる用意さえして置けば、住居の方は
差当り心配はないとしても、もう捨てて置けないのは牛舎だ。