おれは俄かにぞつとして、もうすつぽんを食ふ気にはなれないので、早々に
引返して来たのだといふ。
しばらくすると、薄墨をもう一刷した、水田の際を、おっかな吃驚、といった形で、漁夫らが屈腰に
引返した。
——小村さんは一旦外へ出たが、出ると、すぐ、横の崖か巌を滴る、ひたひたと清水の音に、用心のため
引返して、駅員に訊いたのであった。
姿見から影を抜出したような風情で、
引返して、車内へ入って来たろうではないか。
ここに細川方の幕僚で丹波を領している細川下野守教春も、その数に洩れず、急いで国元へ
引返して行きました。
引返して来たというより、むしろ飛び込んで来たという方が当っていた。
彼は元の道を
引返し、湖岸の左の方へ行った釣場所へ糸を下ろすのだといっていました」
中村はため息を洩らしながら、爬虫類の標本室へ
引返した。