張合がなくて、甜められたやうな、なさけない気持にならないかね。
途中で息が切れさうになることもあるが、それを我慢して押し通すところに、一種の
張合が生じる。
さういふ現状のなかから、期待すべき人々を挙げるとなると、勢ひ挙げても挙げなくてもおなじことで、私にもなにか
張合がない。
安井内相の談話として、「正しいことを行ふのに
張合のある制度を作る」といふ意味のことが新聞に発表されてゐたが、これも私は気に入つた。
「なぜ久しく戯曲を書かなかつたか」と云へば、端的にいふと、戯曲家としてどうにも
張合がなくてしやうがないと思へることが、あまりにも多すぎるからである。
かういふ時は、もつと勇ましさうにしてゝくれなきあ、
張合がないぢやないの。
かわりめ毎に覗き覗きした芝居も、成田屋や五代目がなくなってからは、行く
張合がなくなったのであろう。
「之がもう少し大事件だと
張合があるが、窃盗位じゃ詰まらないねえ」
私は、
張合が抜けて父の室に行って見ると、新聞を読んでいた父もいつしか眼鏡をかけたまゝ、手枕をして眠っている。
急に
張合が抜けて、恭三はぼんやり広間に立って居た。