内へ引く、勢の無い咳をすると、眉を顰めたが、窪んだ目で、
御堂の裡を俯向いて、覗いて、
かねて禁断であるものを、色に盲いて血気な徒が、分別を取はずし、夜中、
御堂へ、村の娘を連込んだものがあった。
されば、音にも聞かずして、摂津、摩耶山の※利天王寺に摩耶夫人の
御堂ありしを、このたびはじめて知りたるなり。
其翌朝早く其処を立つて、一里ばかり田中の道を下りに、粉河寺の裏門に辿り着き、
御堂を拝し畢つて表門を出ると、まづ目に着いたものがある。
どちらもこの
御堂にお鎮まりになっていらっしゃいます。
赤犬は、毎日、
御堂の上がり口におとなしく腹ばいになって、和尚さまのあげるお経を熱心に聞いていたのであります。
山續きに石段高く、木下闇苔蒸したる岡の上に
御堂あり、觀世音おはします、寺の名を觀藏院といふ。
なつかしや
御堂の松翠愈々深く、鳴鶴ヶ崎の浪蒼くして、新宿の濱、羅の雪を敷く。