私はそれを聞いて郵便局へ、通帳の紛失届を出し、通帳を再度下付して貰った所が、参百円以上あった金額は、六
拾何円しかないのである。
世に気楽なるものは文学者なり、世に羨ましき者は文学者なり、接待の酒を飲まぬ者も文学者たらん事を欲し、落ちたるを
拾はぬ者も文学者たるを願ふべし。
かう云ふわたしは北原白秋氏や木下杢太郎氏の播いた種をせつせと
拾つてゐた鴉に過ぎない。
早速金で傭はれた其邊の舟子共幾人は魚の如く水底を潛つて手に觸れる石といふ石は悉く岸に
拾ひ上られた。
足をばた/\やつて大聲を上げて泣いて、それで飽き足らず起上つて其處らの石を
拾ひ、四方八方に投げ付けて居た。
其の頃三年で
拾両と云っては大した給金でありますが、それでも道具係の奉公人になる者がありません。
昔ひとりの小僧さんが烏の落した熟柿を
拾つて來てそれを水で洗つて己が師僧さんに與へた。
小鳥の啄んで落したのを通りがかりに
拾つて來たものであらう。