公平で、正直で、謙遜で、判断力に富んでいると同時に、又絶大の同
情心にも富んでいた。
己は其おかげで、何時の世にも賢哲を苦める落莫の
情を、僅なりとも慰める事が出来たのだ。
がこの同
情心こそは、やがて見物をして芸術と絶縁せしむるものだといふ懸念を禁じられません。
これも木村大尉その人とは毎日同じ避暑地からこの学校の所在地へ汽車の往復を共にしていたため、素直に哀悼の
情を表することが出来た。
しかしその手紙を手にすると同時に、陳の顔には云いようのない嫌悪の
情が浮んで来た。
吉助は愚物ながら、悶々の
情に堪えなかったものと見えて、ある夜私に住み慣れた三郎治の家を出奔した。
尤も君は多くの女に失恋させた経験こそあれ自身には失恋の痛苦を味わったことがなかろうから、或は同
情心を起してくれぬかもしれない。
予は唯、竜動に在るの日、予が所謂薔薇色の未来の中に、来る可き予等の結婚生活を夢想し、以て僅に悶々の
情を排せしを語れば足る。