殊に呂氏の家というのもかねて知っているので、それではすぐに行こうと出かけると、主人は
慇懃に別れを告げた。
赤煉瓦の小さな板木師の家で、人相見の看板も何も出てゐない横の格子戸を排けて、残花が数寄屋橋教会の誰それからの紹介で上つたといふと直ぐ
慇懃に二階に通された。
主人の妾と
慇懃を通じて、そのために成敗を受けようとした時、かえってその主人を殺すということは、どう考えても、彼にいいところはなかった。
信長の弟勘十郎信行の折目正しい肩衣袴で
慇懃に礼拝したのとひき比べて人々は、なる程信長公は聞きしに勝る大馬鹿者だと嘲り合った。
しかし勝家の忿懣は自然と見えて居たので、秀吉は努めて
慇懃の態度を失わずして、勝家の怒を爆発させない様にした。
しきりと
慇懃に揉み手をしながら、天下の御直参もまるで眼中にないもののような容子でした。
※南田は銅檠の火を掻き立ててから、
慇懃に客を促した。