身体のほかに持つてゐたのは頭抜けた楽天性と健忘性と野性のままの性
慾だつた。
何もせずにボンヤリ毎日を暮してゐると、食
慾だけは衰へもせず、むしろ存分に喰ふこともでき、食べたあとでは幾時間でも睡むることが出来るのである。
慾張抜いて大急ぎで歩いたから咽が渇いてしようがあるまい、早速茶を飲もうと思うたが、まだ湯が沸いておらぬという。
しかしまだそのほかにも何か発作的に制作
慾の高まり出したのも確かだった。
是等の作品の中には、作者の眞摯な藝術的熱情と必至的な創作
慾とが感ぜられて快い。
つまりは馬鹿にされながら金を取られるような訳ですが、前にも云う通り、怖い物見たさと
慾とが手伝うのだから仕方がない。
「そんな、しかし一寸した
慾にとらわれていちゃ仕様がない。
僕 僕は生憎風流人よりもずつと多
慾に生まれついてゐる。
某は心中深く立腹して、他の事にかこつけて雲飛を中傷し遂に捕へて獄に投じたそして人を以て竊に雲飛の妻に、實は石が
慾いばかりといふ内意を傳へさした。