滝田君は昔夏目先生が「金太郎」とあだ名した滝田君とは別人かと思うほど
憔悴していた。
一人は色の黒い眉の太い立派な体格の男だったが、
憔悴していることは前者と異らない。
金応瑞は義州の統軍亭へ駈けつけ、
憔悴した宣祖王の竜顔を拝した。
といわれ、はじめて気がついたように折竹をみると、色こそ、※※の※※のような夷蛮と異らないが、どこかに影がうすれたような
憔悴の色がある。
鼠色の壁と、不景気なガラス窓とに囲まれた、伽藍のような講堂には、何百人かの罹災民諸君が、雑然として、
憔悴した顔を並べていた。