所在の子分が亦其の風を聞いて、千里を遠しとせずして有名な親分の下に奔せ集まると云つた姿である。
さうかと云つて怠けてゐれば、その制限の
所在さへ知らずにしまふ。
その外著作権の
所在なども法規大全を覗いた限りでは甚だ曖昧に出来てゐるらしい。
警官はこの絵が描かれた時の亜太郎の
所在に対して疑いを集中して行った。
両眼の
所在は、煙色のレンズの入った眼鏡に遮られて、よくは見えない。
おまけに窓の外を見ると、始終ごみごみした横町に、麦藁帽をかぶった支那の車夫が、
所在なさそうにうろついている。
ジョヴァンニはなんの
所在もないので、窓の下の庭園をいつまでも見おろしていた。
驛前の賣店で簡單な鎌倉江の島の巡覽案内を買ひ、私とユキとは地圖の上に額と額とを突き合せて、圓覺寺の
所在をさがしても分らなかつた。
閑人の誰彼は、
所在無げな顏をして呆然と門口に立つゐた。
が、すぐに又視線が移ると、彼女は必吐息を洩らして、光沢のない黒繻子の上衣の肩を
所在なささうに落しながら、もう一度盆の西瓜の種をぽつりぽつり噛み出すのであつた。