こういう虚弱児童には
才気が恵まれているのが普通であるが、彼はその方にも縁がなかった。
どうして、こんなに寂しい人なのだろう、美貌と
才気にめぐまれたこの人の心をあたゝめる何物もないのだろうか、私はいつも自問自答していたのです。
ことに人並すぐれた頭脳と
才気とをいかに用ふべきかについて、おそらくは、当時の秀才が悉く思ひ悩んだ如く思ひ悩んだことと思はれる。
次に、「恋文」「喪服」の二篇の作者、庄野潤三の一種の
才気と、ちよつと心にくいほどの新鮮な観察とを、私は可なり高く評価する。
私は、このひとの
才気を非常に高く買つてゐるだけに、じつくりとすぐれた素材に挑み、もつと重量感のある傑作を早くみせてほしい。
才気にまだどこか上滑りをしたところがあつて、未知数の部分は多いが、その将来には最も大きな期待がもてる。
そこでは、常に、「溌剌たる
才気」がもつとも「約ましい姿」を見せてゐる。
この
才気が、観察と想像の方向に働かずして、それらの速度に働く傾向が著しい。
無論、喜劇であるから、その辺の誇張もあり、その誇張から生じる効果は、作者の
才気をうかゞふに足るものであることを知らなければならぬ。
併し先生自身は、単に
才気に任せて揮洒し去るのに満足しては居なかった。