夫より長崎のしるべの所に頼ミて、私ハ長州ニ行けバはからず別紙の通り軍をたのまれ、一戦争するに、うんよく
打勝、身もつゝがなかりし。
さうして遂に、日本にゐる遊仲間と、彼と共に子供の時分から御座敷で逢ひ馴れてゐる歌妓とに、葉書を書くといふ誘惑に
打勝つことが出来なかつた。
我等の中優れたもの程——運命の企てを知り抜いてゐると思はれる癖に——死に
打勝たんとする一念に熱中してゐるやうに見える。
そして、理性がついに戦いに
打勝ったと信ずるものです。
ただ、幸いにしてこの市の川の水は、いっさいの反感に
打勝つほど、強い愛惜を自分の心に喚起してくれるのである。
かくの如くそれが廣く萬般のことに用ひられるのは、その永遠性と、
打勝ち難い強い力によるのだ。