あの焼け野の、爆撃の夜があけて、うららかな初夏の陽ざしの下で、七人の爆屍体を処理しながら、屍体の帽子をヒョイとつまんで
投げだす若者の無心な健康そのものの風景。
一番こまるのは、人からの手紙で、そのうち返事をだそうと思って、身辺へ
投げだしておくと、忽ち行方不明になって、返事がだせなくなってしまう。
わずかに、僕がそれにやゝ匹敵するのみで、他の諸先生はすぐ
投げだしてしまう。
私は先程もペンを
投げだして、どこへ行くのやら、ふと、思はずにゐられなかつた。
案をつくつて、
投げだしておいて、皆さんの好き勝手にしろ、それぢや、やつぱりいつまでも混乱するばかりで、うまくいかない。
かかる対立感情が文化の低さのみを原因とするかどうかは問題だが、之は咢堂の肉体的な言葉であり、いはば自らを
投げだして対決をもとめてゐる文学的な一態度だ。
あそこからベンチまでいくらの距離でもないのに、なんだって、ゴミタメみたいに、あそこへ
投げだしてくるのだか、腑に落ちない。
すると、彼は何思ったか、手にしていたアルミの弁当箱をがたんと音をさせて地上に
投げだすが早いか、そのまま身を躍らせてどぼーんと堀のなかに飛びこんだ。
いきなり内部から風をきって、彼の前へずしりと
投げだされたものがある。
幾十日の間、黒闇の中に体を
投げだしていたような状態が過ぎた。