がらがらとこの店のものを手当たり次第に
投げ出したんですよ。
父は財産全部を忰の前に
投げ出して、自分は思い切りよく隠居してしまった。
と大きな声がして、何かドタリと
投げ出される音がしました。
「どれどれ拙者が」と安富寄碩が、子細らしく取り上げたが、これもしばらく考えていたかと思うと、思案に余って
投げ出してしまった。
菊枝は身体を
投げ出したまま、背負っている草の上に、ぐったりとなって、荷縄も解かずに、向こう鉢巻きにしていた手拭いを取って顔や襟首の汗を拭った。
暫時すると、甲は書籍を草の上に
投げ出して、伸をして、大欠をして、
広次は妙に羞しさうに、奥部屋の古畳へ
投げ出された桜の枝ばかり気にしてゐた。
テーブルの上に札を
投げ出す態度から、いかさまの手などはすぐ見破ってしまう。