人は運命に抵
抗してそれを支配することが出來ないとすれば、せめてはその不可
抗の運命の物凄い戲れを、ぢつと觀てゐる外はない。
此果断と云ひ
抗抵と云ひ、総て前提の「物ふるれば縮みて避けんとす我心は臆病なり云々」の文字と相撞着して并行する能はざる者なり。
男女の話声が水口の水の音だとわかっていながら、不可
抗的に実体をまとい出す。
奴のいまだ答えざるに先だちて、御者はきと面を
抗げ、かすかになれる車の影を見送りて、
刑鞭を揮ふ獄吏として、自著自評の
抗難者として、義捐小説の冷罵者として、正直正太夫の名を聞くこと久し。
地球の背骨の大山脈から、獅子の如く咆えて來る千里の風も、遮る山もなければ
抗ふ木もない、此曠野に吹いて來ては、おのづから力が拔けて死んで了ふのであらう。
先づは重疊、
抗つて齒向つてでも來られようものなら、町内の夜番につけても、竹箒を押取つて戰はねば成らない處を、恁う云ふ時は敵手が逃げてくれるに限る。
曾て寺内内閣の議會で、藏原代議士が總理大臣から「ゾーバラ君」と呼ばれて承知せず、「これ猶ほ寺内をジナイと呼ぶが如し」と
抗辯して一場の紛議を釀したことがあつた。