私は
折々書見の眼をあげて、この古ぼけた仏画をふり返ると、必ず※きもしない線香がどこかで※っているような心もちがした。
昔は
折々、そんな事もあったように聞いて居りますが。
折々門に来て立つ乞食のたぐいなどに対して、いつも温かい言葉をかけていた。
余りの不思議さに自分は様子を見てやる気になって、兎ある小蔭に枯草を敷て這いつくばい、書を見ながら、
折々頭を挙げて彼の男を覗って居た。
折々公爵は、クサンチスが朝早く起きた頃に、薔薇の花で飾つた陶器の馬車で、迎へに来た。
だから彼女は馬車の中でも、
折々話しかける父親に、上の空の返事ばかり与へてゐた。
松江では宴会の席にも度々出ましたし、自宅にも
折々学校の先生方を三四名も招きまして、御馳走をして、色々昔話や、流行歌を聞いて興じていました。
それは高い窓からも
折々うかがわれる風景であったが、ほんの一瞬間ではあるが、それは自分の現在の境遇を忘れさせてくれるに足るものであった。