踵が浮いて、恁う、上へ
担ぎ上げられて居さうな様子。
棒の両端に叺を吊して、ぶらんぶらん
担ぎ廻る例の「皆喰爺」が、寮の裏で見える度に、私は尹書房を思い出すのだ。
この連中に、英国生れの力持がいて、一人で大砲のようなものを
担ぎあげ、毎日ドンドンえらい音を立てたので、一時は観音様の鳩が一羽もいなくなりました。
然らば先生に頼めといふので、親爺の奴山のやうな捜査資料を僕のところへ
担ぎこんだ。
自然商店が段々殖えて来て、近頃は近所の小さな有るか無いかのお稲荷様を
担ぎ上げて月に三度の縁日を開き、其晩は十二時過ぎまでも近所が騒がしい。
(中略)一つの好い思想、好い目論見、好い言葉さへも、それを
担ぎ、それに加はり、それを使ふ有象無象のために、折角の魅力が失はれてしまふ例が実に多いのだ。
その声の下に、ドッと飛びこんできた詰襟服の一団は、有無をいわさず手どり足どり、僕を
担ぎあげて、表に待たせてあった檻のような自動車の中に入れてしまった。
多くの批評家も亦、彼を故らに
担ぎ上げることこそしないが、彼の作品には絶えず好意を寄せてゐる、云はば、かういふ作家もあつていいといふ作家の一人に違ひない。
ともかく
担ぎおろして身のまわりをあらためたが、彼女は腰巾着を着けていなかった。
僕は矢代と共に久米を
担ぎ、人跡絶えたる電車通りをやつと本郷の下宿へ帰れり。